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時計が22時を回った頃、ビニール袋を下げて、彼がやってきた。
「腹減っただろ?すぐ作るから。」
そういって、お粥を作ってくれた。
薬を飲んで、ベッドによこになり、テレビを見ながら、たわいもない話をしてるうちに、思った。
彼氏がいて、こんな風に優しく看病されるのって幸せなんだろうな。
ふと、時計をみるともう0時半をまわっていた。
「ヤバイ!終電何時!?」
「嫌、もうないから。最初から泊まってくと思って。」
少し挙動不振になりながら、彼はそう言った。
「そっか。ごめんね。じゃ、布団出すよ。」
でも彼は、いらないという。
???
「嫌、床に寝るの?風邪ひいちゃうよ?」
「大丈夫だから。」
「そう?」
「じゃそろそろ寝ようか?お前、薬飲んだし。」
「そうだね。電気消してくれる?」
「はい。お休みな。」
「お休み。」
「ねえ、やっぱり体痛くない?ベッドに寝たら?風邪移るかもしれないけど。」
その一言が、始まりだったね。
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