✨真夏のちょいハプニング✨

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  「にゃぁ……」 ──ん? 猫? 「にゃぁ」 まただ。 暑いのは大の苦手だが、猫は大好きだ。 知らんぷりなどできない。 迷わず窓を開けベランダに出た。 「うわっち!」 マジで暑い。 焼けたベランダから身を乗り出し、あちこち見渡す。 我が家は南向きの一戸建だ。 田舎なのでけっこうな広さの庭がある。 南側には家庭菜園。 西側はいろんな種類の植木が、もっさりと生い茂っている。 家の周りを囲む生け垣。 その向こう、南側と東側は路地だ。 その垣根の根元に猫がいた。 土に尻をつけ、植木の方を向いて鳴いている。 身体全体は白く、頭と背中の半分と尻尾が濃い灰色をしている。 ちょくちょく見かける近所の神社をねぐらにしている野良猫だ。 オレが把握してるだけでも4匹いる。 「にゃぁ」 優しい声で何かを探すように、同じ調子でずっと鳴き続けている。 悪戯で鳴き真似してみた。 「にゃぉーん」 ──わっ! 振り向いた! 「にゃーお」 いま大変なんだから邪魔しないで──そんな顔つきと鳴きかただった。 「すんません」と、猫に頭を下げて謝る低姿勢なオレ。           
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