✨真夏のちょいハプニング✨

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  首をすくめておとなしく様子を見ていると、植木の下から子猫が後退りしながら出てきた。 ──子供を呼んでたのか。 と、頬がゆるんだのも束の間。 植木がガサガサと波立ち、柴犬くらいの大きさの白い犬が飛び出してきた。 赤い首輪を着けている。 親猫が先に立って子猫も続き、一目散に垣根をくぐる。 追いついたワンコも必死に垣根をくぐろうとしている。 「うわ、ヤバいって!」  オレは普段なら考えられないものすごい勢いで階段を駆け降り、サンダルをつっかけるのももどかしく玄関から庭へ走り出た。 ──いない。 路地に回ってみる。 「あ──」 引き紐を持った大仏みたいなヘアスタイルのおばちゃんが、「もう、ダメじゃないの! すぐ逃げるんだから!」と怒鳴りながら、首輪に紐を繋げている。 猫たちの姿はなかった。 ──逃げられたみたいだな。よかった。 大仏おばちゃんにひとこと文句を言ってやりたかったが、すでにワンコにずるずると引きずられ、かなりの距離を走って行ってしまっていた。 ──まぁ、いっか。 ホッとして苦笑いをこぼし踵を返した瞬間、どっと汗が吐き出した。        
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