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血みどろになった黒猫の顔が、怨念を残すかのように妖しく瞳を光らせている。
蒸し蒸しと茹だるような寝苦しい夏の夜。
布団に入った啓介の脳裏に、血まみれの黒猫が襲ってきた。
うぉー!
気が狂いそうになり、ボサボサ頭を掻き毟る。
ご、ごめんよ!!
許してくれ。
そう苛々と焦りながら呟く啓介。
顔面を伝う汗の生暖かさが、冷たく変わっていく。
背筋を伝う汗が氷のように冷たい。
啓介は汗でビッショリになったシャツを脱ぎ捨てた。
瞳を閉じると襲われる恐怖を振り払うかのように、シャワーに向かった。
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