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うさぎはこちらの様子を伺うだけで、ピクリとも動かない。
逃げもせず、近寄りもせず…なんかムカついてきた
「シン…あれは兎(う)です」
「う?」
相当アホ面で復唱したのだろう。青年はクスッと笑いもう一度言った。
「はい、あれは兎と呼ばれる者です。…呼べば来ると思いますよ?」
「いや…来てないから…」
今の状況で呼べば来るって…馬鹿にしてるのか?
「兎…こっちに…」
僕の様子を見兼ねたのか、青年が兎を呼んだ。
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