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『花冠をドアノブに掛けたのは草菱さんですか?』
『あぁ。そうでした、そうでした』
『草菱さんは、冬とは話せないの~?』
『いえいえ、話せますよ』
と言って
草菱は微笑んだ。
『花冠が降って来た時に、持ち主の見当はついていたんです。あの子はそそっかしいですからねぇ』
『じゃあどうして…』
草菱は
お茶を少し飲んだ。
『貴方たちに、貴重な体験をしてもらいたかったんです』
そう言うと
草菱は
少し困った顔をした。
『老婆心というか…まぁ私は爺さんですがね。能力を持っているなら、殺伐とした物ばかりではなく、と思いまして』
『ご迷惑でしたか』
『いえ、そんな事ないです』
『冬と話すなんて、そうそう無いからね~』
僕たちが
そう言うと
草菱は満足そうに
笑った。
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