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『結局はさ、蓋開けて腰据えて、触れてみないと、他人の事なんて判んないのよね』
煙草の煙を見つめて
マナミは言う。
『うわべだけ判ったフリしたり、中途半端に聞きかじったりしても、誰も得なんてしないのよ』
煙は流れ
広がり
消えていく。
『だからさ、俺なんかが看取っても、救った事になんてならねぇんじゃないか、って』
煙は揺れながら
また生まれ
消えていく。
『…時々、思うわけさ』
マナミは
煙草を揉み消した。
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