第10話

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            『なんで盗んだの~?』  マナミが  教授に尋ねた。 『あいつは風の妖精の類でなー。蝶だから、羽が濡れると飛べないんだー』 『でもなんで酔月の杯を?』  教授は  晴れた夜空を  見上げた。 『酔月のような水属性の妖精はなー、雨を増幅させる祭をするんだー』 『へぇー』 『その祭事には、あの杯が必要不可欠なんだなー』  手の平の杯は  小さいが  重みがあった。            
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