第3話・2

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 マナミは  人影に話しかける。 『俺はあんたらみたいなのが嫌いだよ。これ以上増やしたくないし、見たくもない』  雨が強くなった。  マナミはそれでも  真っすぐに  人影を見つめている。 『知ってることを、聞かせてくれ』  人影が  マナミに触れた。 『………っ!!ぁ、あ!!』  マナミの体が  強張るのが判った。 『っ、あぁあ!!』  人影を払うように  マナミがもがく。  すると人影は  煙のように消え  マナミはその場に  崩れた。 『眞浪さん!!』  僕と沢矢は  マナミの元へ  駆け寄る。 『そんなことをしてまで…!!』  近づくとマナミは  空に向かって叫んだ。 『そんな道しか、お前らは選べなかったのか!!』 『眞浪さん!!』  空からは  無数の雨が  僕らを射抜くように  注いでいる。  マナミは苦しそうに  2、3度  咳込んだ。 『取りあえず、車に戻ろう。風邪をひく』  沢矢に促され  僕らは  車に戻った。          
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