第1話

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『俺はね、死んだ人の最期の声が聞こえるの。  その声は、誰かが聞いてやるまで、長いことそこに留まり続ける』 『最期の声…、』 『声ってよりは、最期の思いかなぁ』  僕たちが吐く息は  白く高く  空に吸い込まれていく。 『誰にも届かない声が、この世には溢れてるんだよ』  その息は  この街の空では  きっと星にもなれない。            
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