636人が本棚に入れています
本棚に追加
『俺は《看取り屋》って呼ばれてる。まぁ、聞いてやることしかできないんだけどね』
そう言って
マナミは笑った。
帰り道
煙草をふかしながら
マナミは言った。
『俺らみたいに、聞いてやれる・見てやれる人間ってのは、一握りじゃないですか。
ってことはさ、俺らがやってやんなくて、誰がやるって話よね』
二人とも
無意味に空を見上げた。
『誰にも聞いてもらえないってのは、淋しいじゃないさ』
最初のコメントを投稿しよう!