第6話

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 桜の枝が  風で揺れた。 《憎み切れないものさ。例えいずれ切られると判っていてもな》 『でも、』 《切られるのは君達のせいではない。惜しんでくれる人間だっている》 《それは純粋に、嬉しいことだよ》  桜の言葉は  僕らの胸に響いた。 《…じきに雨が降るぞ。早く帰った方がいい》            桜が言うと  雫が落ちて来た。            
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