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冬の季節となった十二月の冬空の下、スノウギルの街には一段と多くの雪が降っていた。
十二月でなくとも一年中雪が降っているこの街では冬なんて実感など湧いている者すら少ない。
それに、たとえ雪が降っていなくともスノウギルの街では、そんな実感を湧かせられる余裕もないだろう。
このスノウギルの街は、二つの区画に別れている。
一つは、安全な一般市民による住居が建ち並ぶ『第一区』。
そしてもう一つが、犯罪者が無数に滞在して悪行を働く無法地帯、『第二区』である。
いつからこのように分けているのかは全くの謎であったのだが、一つの出来事が切っ掛けとなり、シンはその真実の一端を知ることとなったのだ。
それからは、シンは今まで見て来た世界が、がらりと変わった感覚を味わうことになった。
スノウギルの街が巨大な実験場であるというのもあながち間違いではなかったのだ。
武器の製造元を四番が乱暴に探りを入れてみてみたのだが、たった二か月で十人もの第一区の研究者が拘束されることとなったのである。
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