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『親愛なるハーシェル博士へ
三ヶ月ぶりね。
返信遅れちゃってごめんなさい。
元気にしてるかしら。
こっちは元気よ。
フロンティアとこっちじゃ海を隔ててちょっと遠いけど休暇が取れたら家族でそっちへ行くわ。
その時はうちの馬鹿主人の右腕メンテナンスしてくれない?
会議で血が上って右腕叩きつけてから調子が悪いんですって、本当に馬鹿でしょ?
あ、後報告すべき事が出来て…
実はまた私達の間に子供が出来ました!
お医者さんが言うには念願の女の子♪
今まで男の子三人だったからすごく楽しみ!
お祝いパーティー楽しみにしてるわ♪
じゃあ体に気をつけて。
レイナ=アスカード』
「ふふ、あはは、相変わらずだなー」
最後まで読み終えると博士は高らかに笑った。宛先はアクアマリン王国首都アクアマリン アスカード孤児院となっていた。もとはアスカード家の屋敷をそのまま使った施設だ。夫婦共々孤児院経営は上手くいっているようだ。
四人目の子供にも恵まれてさぞや幸せだろう。そして休暇となると孤児を入れて10人以上のパーティーを企画しなくてはならない。そこでまた頭抱えたが、子供用に玩具を開発しておくかと笑い飛ばした。
続いて次の手紙を取った。
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