エピローグ

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『博士へ この間は多忙中申し訳なかった。 女王陛下の義足はよく稼動している。 改めて感謝するとのことだ。 礼金はそちらの研究費に役に立てて欲しい。 国内の義足義手の更新も随時進めて欲しい。 外交ルートでも既に通達を出したが、大量発注をした。納品よろしく頼む。 レイ 』 「ぐっ、それでこの書類の山という訳ですか……」 短い手紙を読んだあともう一度目の前に積み重なる書類の数を舐めるように見る。レイルードからの発注書という訳だ。そして女王陛下フェルミアの義足の調子はいいようだ。側近のレイが個人的に発注をかけたので手間がかかった。今回はそのお礼だった。 続いて手紙に目を通す。 『やっほー元気にしてる? 今すごく寒い所にいるんだよーフェーン共和国に! なんでもここに禁断の魔導書がマーケットに出回ってるって噂を聞いて回収に来てるんだけどなかなか手強くて… この前闇商人が銃撃ってきて! ムカついたからぶっ飛ばしてやった。 同封してる写真は逮捕の瞬間だよ! カッコイイでしょー我らコンビ最強ってね! こっちが落ち着いたらそっちにいくね。 じゃまた。 魔導省S級スーパーウルトラ捜査員ユマ=カラード&セリム=スターローン&セレフィ 』 同封されていた写真を博士は見る。するとそこにはユマと青年、そしてセレフィがいた。ユマはあどけなさはまだ残るが、一目見るとすごく強気な女性だ。もう一方はかつて帝国で死神と恐れられていた少年だった。偽名を使いもはや過去の面影は微塵にも感じない優しそうな青年になっていた。セレフィは綺麗な白竜となっていた。恐らくオスの飛竜からはモテモテなのだろう。 彼等の仕事は魔導省といって、魔法に関連する犯罪などを取り締まったり研究機関である。魔法学校も受けもっている。ユマはその教師でもあれば捜査員でもある。 治安の維持のため日夜働いているのだ。 最近よく手紙をくれるのだが決まって『セリムがアタックしてこない』という恋愛相談だった。どうも色々あるらしい。 博士はその他の手紙を全て読む。そして避けておいた最後の手紙を手に博士は唇を舐めた。 「さて、何してるのかな――」
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