ドＳな年下彼氏

＊ユウside＊

………え？

なんでわかったの？

「えっ…いや、

思ってなんかないよ？

じゃ、あたしは教室に戻るから、…じゃあね」

あたしが自分の教室に戻ろうと後ろを向いたとき、

グイッ

突然腕を掴まれた。

「…え？」

『…先輩、

俺、方向音痴なんで
案内…
してくれませんか？』

案内！？

なっ、なんであたし！？

『駄目ですか？』

市瀬くんの目が涙ぐみながら言う。

…そっ、そんな顔されたら…………

「い、いいよ！」

断れないじゃん！！

『本当ですか？

ありがとうございます！』

市瀬くんは無邪気な笑顔でそう言った。