25389人が本棚に入れています
本棚に追加
「んん~甘くて美味しいね~」
ベンチに座りソフトクリームを舐めながらフェニは言う。確かに美味しいから、オレは言葉を返した。
それにしても……この世界ってローブが当然なんだな。
町中はもちろんの事。公園の中を歩く人にはローブを着た人がいる。
腰に付けた弓矢、背程の槍、腰にかけられた剣や杖。武器は持ち歩くのが普通か……
町中にモンスターとか出るのかな?
「……フェニ、召喚魔は何処にいるの?」
歩いている人にフェニのような召喚魔は全くいない。気になってフェニに聞いてみた。
軽く反応してソフトクリームを食べるフェニの動きが止まる。そして何処か悲しそうにこちらを見た。
「……召喚魔は普通、違う世界にいるの。ずっと召喚してたら魔力を消費するから……」
俯いてフェニは答えた。溶けたソフトクリームが小さな指に走り白い跡を残す。
そんな事知らなかったな……魔力を消費したら疲れて、下手したら死ぬけどオレは魔力を消費しているのか?
疲れなんか全く無いし、魔力が減っているという感覚すらオレには無い。
食べていたソフトクリームのコーンを噛み砕き、付いていた紙を手に持つ。
「とりあえず……疲れなんか無いから戻らなくて良いよ。それを食べたらまた買い物をしようね?」
フェニの指についたソフトクリームを紙で綺麗に拭く。
それを聞いたフェニは嬉しそうに微笑んでから、ソフトクリームを再び舐め始めた。
最初のコメントを投稿しよう!