休み

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とりあえず女性の客にお礼を言うと、女性はこっそりと店から逃げ始めた。 それにしても……あれを見てたら物凄くムカつく。 あれとはもちろんランクSSSだと店中に伝え回して、ぶつかったと思われる女性を必死に謝らせている男だ。 被害者の女性はローブのフードが外れて素顔が見えている。多分……結構オレと年が近い。未成年だろう。 冷静に考えれば考えるほどに、怒りが無償に貯まっていく。 あんな奴がランクSSS……嘘でもホントでもロウスに失礼だ。オレを助けてくれた人を間接的に馬鹿にしている。 こんな女性しか来ないお菓子専門店でわざわざこんな事をしているって事は、男相手にやる気がないんだろうな。 魔導銃があったら――確実に狙撃していたのに。 お菓子がある棚に少し体重を預け、尋常じゃない怒りを感じていると着ている服を下に引っ張られた。 振り向いてみるとそこにはフェニがおり、心配そうにオレを見ている。 「お兄ちゃん……あの人は助けないの?」 そう言って指差した先は怒鳴られ続けている女の子。 助けるのは簡単だけど――殺さないように出来るかな? とりあえずオレはフェニの頭を撫でてから微笑み、前に歩き出した。
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