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男性はオレに興味が無いのか気づいていないのか……
薄く微笑みながら紅茶をのんびりと飲んでいるだけで、全く視線が合わない。
「とりあえず……ロウス、これ誰のかわかる?」
奪った――もとい、取り返したギルドカードを机の上に優しく乗せる。
ロウスはそれを手に取り、指でなぞりながら確認した後大きく笑いながら男性に声をかけた。
「シン、良かったな。落としたギルドカードがもう見つかったぞ」
「あれ? そうなんですか?」
この男性はどうやらシンと言うらしい。
ロウスがギルドカードを指で飛ばし、それを片手で受け止めてからギルドカードを見て微笑んだ。
「早いですね。ユウ君ありがとうございます」
「あぁ……気にしないでください」
オレってこの人に自己紹介してないよな?
やっぱシンさんもランクSSSだから、同じランクの新入りなんて覚えているのか?
「……ところで、ユウ君が連れてきた方は誰なんですか?」
どうやら二人共それを気にしているみたいだ。
シンの何気ない問いに、ロウスは何度も小さく頷いて共感している。
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