休み

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「あぁ……シンさんのギルドカードを使って女の子を威嚇してました」 大体の事は省いて重要な事だけを二人に伝えると、のほほんとしていた部屋の空気が張り詰める。 シンさんは笑顔を崩し、怪しく笑ったかと思うとカップを握力で割った。 破片が床に落ちてシンさんの左手から血が垂れる。 「ユウ君、この男少し借りても良いかな?」 さっきと同じ笑顔のシンさん……ただプレッシャーが、かなり違う。 目は完璧に笑ってないし、穏やかな声はまるで地を這うかのように低い。 オレが小さく頷くと、シンさんは醜く笑ってから男の首を掴み引きずりながら部屋から出ていった。 「シン・ローディアン。お前と同じランクSSSで、武器主体の部隊の隊長だ」 武器主体――と言うことは、シンさんが弟一部隊の隊長か。 「豹変したのはどうして?」 シンさんが出ていった扉を指差しながら、男の正体を話した瞬間豹変した理由をロウスに聞く。 「アイツなぁ……狂暴なんだよ。自分の気に入らない奴や、礼儀知らずには容赦が無い」 怖……男を連れて来ないで捨てて置いた方が良かったかも……
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