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「あ、お兄ちゃんオハヨー」
小鳥が鳴くさわかやな朝に、目が覚めて最初に見た光景はフェニが冷蔵庫の前でお菓子を食べている姿だった。
朝早くからかなりの量を食べているのだろう。辺りに散乱しているお菓子の包み紙が、それを物語っている。
ご飯なら食堂行けば良いのに、お菓子を食べるとは……
考えていると、フェニが昨日買った洋服を手に抱え、オレの方に駆け寄ってくる。
「お風呂、一緒に入ろ?」
そしてベットの横に立ったばかりのオレの手を引きながら、そう言った。
「一人じゃ入れないの?」
オレの問いにフェニは、恥ずかしそうに頷く。
まぁ……まだまだ小さいんだから一人でお風呂は難しいか。頭でも洗ってあげよう。
オレはフェニに引かれて一緒に脱衣所の中に入った。
脱衣所の鏡は、昨日オレが叩き割ったから一応床に散らばる破片を完璧に掃除した。
うげ……良く良く考えたら、この身体見せたくねぇな。目茶苦茶引かれそうだし、原因を聞かれても困る。
服を着ていたら見えないけど、この身体の傷がどうやって出来たかなんて、まだ小さいフェニには重すぎるぞ。
「お兄ちゃんは脱がないの?」
「……昨日入ったから、今日は良いや」
適当な言い訳だったが、フェニにこれ以上考える暇無く、さっさとお風呂に入ることにした。
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