検査?

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城の中はかなり大きかった。 ここは入口付近だが、丸い机がアチコチに並べられその近くに屈強な人達が座り、酒を飲んでいる。 ロウスはオレの手を引いて入口すぐ横にある階段を登り始めた。今は必死について行っているから手は痛くない。 後、まわりの人の視線が痛い。突き刺さりそうなくらいオレを見ている。 まぁ――だから何って感じか。こんなのより昔の仕事の方が怖かった。 「一階より上に行ける人はなかなかいないんだよ。まぁ俺が一緒だからってのもあるな」 俺が一緒……だから上に行けるって事? 一緒だから注目されているって事? 「別にいっか。それよりもここはローブが制服なの?」 この中にいる人は皆ローブを付けていた。男も女も子供から老人まで皆ローブ。ちなみに、フードは付けてないからわかる。 「まぁそんな感じだな。ローブを付けて後はここのギルドのマークが入っていたら良い」 「……ギルドって何?」 階段を上がっていると一枚の絵を見つけた。オレと同じ灰色の瞳を持つ白髪の老人の絵を。 その老人を見たら頭の中が白くなり、濃い感情が変わりに出てくる。 なんだこの感覚……懐かしい、会いたい……殺したい?
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