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部屋の中は……ほとんどなにもなかった。真ん中に小さな机、机の上におかれた薄いカード。
……何の検査をやるの?
全然わからない、とりあえずオレは机に近寄ってカードを手に持った。
すると、激しい雷鳴が鳴り響き地面を震わすと同時にカードは火がつき勢いよく燃えていった。
こんな状況でも、しっかりとカードを握っていたオレの右手は大惨事だ。
皮膚が焼けただれており、黒く消し炭に近づいた皮膚の奥から白い骨が見えている。
手で終わるならまだしも、被害が腕にまで侵食している。肘から下は、ほとんど消し炭だ。
「……ロウス。この罠なに?」
尋常じゃない痛み、風が当たったり動くだけでも痛いが、何故か冷静でいられた。
慣れてるからか、痛みを通り越して怒りが来たか。それとも、予想外の怪我をして自分の物とは思えない感覚に陥っているからか。
ブービートラップの一種? 触ったオレが悪かったのかも知れないが、いくらなんでも酷すぎる。
「……とりあえず、落ち着いてくれ。目が殺意に満ちている」
「……説明して」
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