25389人が本棚に入れています
本棚に追加
/542ページ
「まぁ、わかりやすく言うとそのカードで魔力を計るんだが、壊れた」
「痛い痛い!!」
燃えた右手をロウスが腕から持ち上げると、激しい痛みがオレを襲った。
「『ヒール』もう痛く無いだろ?」
手を傷痕に当て、小さく呟くと傷痕が淡い青色の光に包まれて光が収まると痛みが無くなっていた。
「普通は数字が出るんだよ。壊れたってのは初めて、つまりユウは誰よりも魔力が多いって事だ」
「すげぇ……あんなに悲惨な傷が簡単に治った……」
指を開き、閉じてまた開く。腕を引っ張ったり回したりするのを眺めながらしていた。
痛くないし傷痕も無い。筋や神経も治っているのかな? 焼けたハズなのにすんなり動く。
「……話し聞いてた?」
「あ……二割は聞いてたよ」
申し訳無く笑いながら言うと、頭の上から鉄拳が飛んで来たのでなんとか避けた。
「全部聞けよ!!」
ごもっともだ。だけど今は傷痕が簡単に治った感動に襲われていたから、聞いている余裕が無かった。
「……もういいや、次は属性調べるぞ」
最初のコメントを投稿しよう!