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部屋の中は今までにオレが見たこと無い空間が広がっていた。
部屋の配置は、ドアの向かい側に立派な机とイス、机の後ろには空が近い大きな窓。
ここまでは普通だ。でもこれからがちょっとおかしい。
机の両側にさっきの赤いロウソクやさまざまな武器。後骨みたいなものも飾ってある大きな棚が壁に埋まって設置されてる。
床には足場がないくらいのたくさんの書類。もちろん泥の足跡がついているので、もう使えないだろう。
ギルドマスターは、仕事をしたく無いのかな。普通ならこんな事絶対しない。
てかオレとロウス以外部屋の中には誰もいない……留守?
「ロウス、ギルドマスターは?」
ロウスを見るといつの間にかイスに座ってた。机に肘を置き手に顎を載せて、黒いローブ越しにこっちを見ている。
「ようこそ。私はこのギルドのマスター。君を歓迎するよ」
大袈裟に手を両側に広げてから黒いローブのフードに外す。
まず目についたのは金色の坊主頭。そして目は黒では無く、薄い緑色だ。
カッコイイ――と言う前に逞しい。良く見たら身体は筋肉質でガッチリと引き締まっており、ゴツイ顔とマッチしている。
「……ロウスって、意外にもカッコイイな」
「お前は少しずつ生意気になって来ているな」
多分素直な自分が出て来ているのだろう。失礼だけど敬語なんてあんま使わないから疲れる。
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