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「まぁ、素直なのは良いことだし別にいいか。これから俺がお前のランクを決めるぞ」
ロウスはそう言って椅子に座り直し、今までの軽くおちゃらけた表情とは違う、引き締まった表情でオレを見た。
自然と身体が強張る。今は笑うところじゃない、身体がそう言っているのだろう。
「魔力は誰よりも高い、更に属性が四つも持っている。この事から考えて君のランクはSSSだ」
ランクSSS――最高のランクだったっけ。記憶が曖昧だな。
それを言おうとしたが止めた。話しの腰を折りたくないから首を少し傾げて悩むだけにした。
「そして――ユウ。これから話すのはランクよりも大切な話しだ。ボンヤリせずにちゃんと聞いてほしい」
そう言ってロウスの目が細く尖る。よほど大事な話しなのだろう。
そんなロウスを見てオレは先程よりも背筋を伸ばし、身体を更に強張らせた。
「今日から君はオレの名字を名乗りなさい」
「……ゴメン、ロウスと結婚しろって事か。断固拒否する」
「アホかぁぁぁぁぁ!! お前と結婚するかボケ!!」
何処まで信じたら良いのだろう。失礼だけどロウスの周りから女気が全くしないし。
身体が細身のオレを狙っているのだろうかって、今の言葉で深読みしてしまった。
何処かロウスを見る目が冷たくなっている気がする。
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