プロローグ

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この人何言ってんだろ。石の上ってそんなに危険か? そもそも夢の世界だから死なないと思うし……けど痛かった。 「……取り立て、焼きたての美味しい肉食べる?」 知らない人が話しかけてくる。頭を抑え、地面にしゃがみ込んで考えているオレの前に、紙皿に載った肉を差し出してくる。 その紙皿をひとまず無視してオレは周りを見渡した。やっぱり森しか……森の奥にある木が激しく燃えている。 しかし、燃えているだけ。葉っぱは燃えているのに青々としており、幹は茶色いまま。 あ、木と木の間に激しい火の粉が舞っている……もはや火の粉と言うより炎の鞭だ。 「あれなぁ……日光に当たると燃え出すんだよ。夜になると消えるし、灰も出ない。ただ燃えるだけで無害」 「……そうなんだ……」 この夢って……一体なに? 無害って言われても熱気が少し離れたここまで来ているんだけど…… 「……これって夢……?」
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