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プロローグ
「ねぇ、これ全世界に配信してもいいかな?」
薄暗いなか、PCをかまいながら彼女は相方の彼に聞いた。
「……してもいいが、できるヤツは限られるぞ」
苦笑しにながら彼女の問いに答えた。
「知ってるよそんなことくらい。だから、やるんじゃないか」
ちょっと、拗ねるように言う。
「俺達には害はないからな」
苦笑しながら、彼はPCをかまう彼女の方に近寄った。
「OKなら、やるよ」
「そ……だな……。そろそろいいかもな」
その答を聞いた彼女は、躊躇いながらもエンターキーを押した。
「もう、戻れないね……」
先ほどまでとは、打って変わって弱々しい声。
「あぁ……。だけど、やらなきゃいけない。やらなきゃ……。」
「例え、世界を破滅へと導いても……」
押してしまったことには、後悔の色を見せてはいない。が、これから、起こることに不安を感じていた。
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