プロローグ

1/1
前へ
/8ページ
次へ

プロローグ

「ねぇ、これ全世界に配信してもいいかな?」 薄暗いなか、PCをかまいながら彼女は相方の彼に聞いた。 「……してもいいが、できるヤツは限られるぞ」 苦笑しにながら彼女の問いに答えた。 「知ってるよそんなことくらい。だから、やるんじゃないか」 ちょっと、拗ねるように言う。 「俺達には害はないからな」 苦笑しながら、彼はPCをかまう彼女の方に近寄った。 「OKなら、やるよ」 「そ……だな……。そろそろいいかもな」 その答を聞いた彼女は、躊躇いながらもエンターキーを押した。 「もう、戻れないね……」 先ほどまでとは、打って変わって弱々しい声。 「あぁ……。だけど、やらなきゃいけない。やらなきゃ……。」 「例え、世界を破滅へと導いても……」 押してしまったことには、後悔の色を見せてはいない。が、これから、起こることに不安を感じていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加