羊と狼

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あるところに 一匹の狼がいました その狼は周りからあまり愛情を注がれずに育ちました 礼儀や道徳や気の使い方等も教わらずに育ちました 狼は群れる事無く、孤独を孤独と思わず成長していきました 教師代わりの羊の言う事も全く耳に入れません そもそも「普通は」だとか「常識的に」と言われても理解出来ません "理解出来ないから"と開き直り気ままに過ごしています 他人からの忠告やアドバイスも最初から否定し、聞き入れません 狼は欲しい"物"は大体手に入れる事が出来ます というのも"欲"のベクトルが偏っているので欲しい物も偏っているから 他人の言葉を聞かない狼は己の中の世界が全てだと思っているので"楽しみ"の知識ですら乏しいのです 狼は嘆きました あまりに他人が自分を見てくれないと だから自分で柵を作りました たくさんの"自由"を使って"不自由"を作り、己の身をそこに置き「不自由だ」と嘆きました 何時でも出られるにも関わらず――
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