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今宵は満月、夜中に外からの物音に2人は目を覚ましました。
そっと外を見ると、そこには‘龍’と‘巫女’達が小屋の周りを取り囲んでいました。
さっき草陰から2人を見ていた別の妖怪が龍と巫女に知らせたのです。
囲まれた2人はどうすることもできず、呆気なく殺されてしまいました。
しかし誰一人として2人が最後の力を振り絞り、腹の子に呪文をかけ、そして今いる龍と巫女達に呪いをかけたことに気づく者はいませんでした。
龍と巫女達は2人を同じ墓に埋め、2人が出会った花畑の真ん中に祀りました。
しかし、その時から‘龍’と‘巫女’たちに異変が起こっていました。
2人がかけた呪いは、一族を抹殺する呪いだったのです。
その呪いの効力は遅くじわりじわりと一族を苦しめました。
そして、2人が死んでから1000年たったときこの世から‘龍’と‘巫女’は絶滅してしまいました。
その頃には“妖怪”と“人間”はまた一緒に暮らしていました。
そして、‘龍’と‘巫女’がいなくなったその瞬間、2人が祭ってある墓で新たな命が誕生しました。
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