道行き

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 順調に進んでいるはずなのにふと見失う  "自分は今どこを向いているのだろう" 苛立ちにも似た虚無感が支配する  自分の感情が見つけられないで、辺りを見渡しても答えは落ちてはいなかった 苛立ち?  怒るようなこともない、焦るほどのテストの範囲の広さじゃない ならばチガウノ? 大切な人がいなくなって悲しい?  悲しいことの分、ちゃんと笑っていた ちゃんと楽しいと思える瞬間がある 平坦な平和な日常 私は何を不安がっているのだろう 得体の知れないものに体がすくむ 緊迫した日常が欲しいの? 怒濤の日々 いまは思い出  あんなにも終わりを望んだのは私自身だったのに? 物足りないとでも?  何度も自問自答を繰り返す傍らで、友人の話を聞き逃して苦笑い  怪訝な顔する彼女には届かない謝罪を 未だに届かない会社からの書類 はっきり見えてこない春 自分が未来が正解が分からないことが怖いの?  けれど、そんなこと今更で  絶対的なはずの地図上のコンパスなんて 人生には存在しない  あるのは行き交う人の群れ、坂や溝だらけのコンクリートの未来(みち) そしてクルクル廻る一本の針 針が向くのは私の心の望む方角 針が見えなくなって迷子な私はとりあえず 波間に浮かんで 時に流されるだけ 明日は北にあるの?
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