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正直、私は幼い頃からこの歓迎会に密かに憧れていた。
私は生まれてすぐに生みの親に捨てられ、養女としてにお母さんに育てられた。
当然ここに来たときの記憶なんてあるわけがない。
だから、ここに新しい子がやって来る度、この歓迎会をやってもらうのはどんな気分なのだろう、と内心羨ましく思っていた。
そんな私にとって、これは思ってもみない、みんなから贈り物だ。
嬉しさのあまり声も出ない……。
すると――
「ケーキちょーらい」
私の感動を余所に、よだれを垂らしてケーキに手を伸ばしている人物が一人。
この家で最年少、二歳の卓くんだ。
彼は私がこの町を出てからここに引き取られたから、生活を共にした事は無いけど、愛らしい卓くんに私は里帰りするたびに癒されている。
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