Ⅰ.故郷

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   結構わかりやすく態度に出ているけど、鈍感なのかお母さんはそれに気付いていないと思う、多分。  いい加減気持ちを伝えればいいのに……と、私は常日頃感じている。  とまあ、源太先生の紹介はこんなところで。  源太先生がここだと指定した私の席は上座。  普段はお母さんが座っている席だ。  慣れない上座だが、私は徐に座った。  そんなこんなで始まった私の歓迎会。  みんながひとりひとりプレゼントを用意してくれていて、それを渡された時に私は涙を流してしまった。  私は痛みや辛さで泣くことはあまりないけど、こういう情というか人の温かさに触れて嬉し泣きすることは多々ある。  それも血の繋がらない母譲りだ。  
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