ⅩⅣ.幸せ

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   夏子先生。  母の葬儀であなたに頭を撫でられ「一緒に暮らそう」と手を差し伸べられた時の事、よく覚えてます。  本当に感謝してます。あなたは僕の恩人であり、もう一人の母でした。  ただでさえ、返しきれない恩をほんの少しも返せなかった事、そしてそれも忘れてあなたを傷付けた事。本当にごめんなさい。  そして、ありがとう。  それと最後に身も弁えず、先生に助言を残します。  今一番近くであなたを支えてる人に、精一杯目を向けてあげて下さい。  そしてその人に、あなたが本当に背負っている物を分けてあげて下さい。  それが彼の喜びなんだと、僕は思います。  
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