ⅩⅣ.幸せ

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  「そう。玲於奈はいずれあなたを忘れる。それを解っていたから、先の事を考えれば、玲於奈にとっても桜にとってもこれが一番上手くいく方法だって、思ってた。そのためなら、非道だと言われても構わなかった。でも……本当にこれで良かったのか、分からなくなったわ」  震える声でそう言うと、お母さんは顔を隠すように右手を自分の額に当てた。  私は鼻を啜るお母さんにゆっくりと近付き、徐にその右隣に座った。 「お母さんさあ、前、私に"今幸せか?"って聞いたでしょ? 覚えてる?」 「ええ」  こっちに向くことなく頷くお母さんに、私はしっかり顔を向け真っ直ぐ見つめる。  ちゃんと、"真剣に伝えなきゃいけない思い"だから……。 「……幸せだったよ」  
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