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「えっ、えーっ! 嘘っ! 嘘でしょ!?」
長い沈黙を経た後、大騒ぎし出した私をお母さんは慌てて抑える。
「ちょっと、ここ病院よっ。静かにしなさいっ」
二十歳にもなって親に軽く叱られた私は、はっと我に返り自分の口元を右手で覆った。
そして覆ったまま、口を開く。
「だってお母さん、源太先生の気持ち知らないんじゃ……」
「知らないなんて一言も言ってないわ」
お母さんは呆れたように溜め息をついた。
「角田くんとは……妊娠する随分前から、そういう関係だった。厳密に言うと高校時代からね」
私はふと記憶の糸を手繰ってみた。
そういえば――。
"お母さん恋人とかいた?"
"いたな、一人"
――じゃあもしかして……源太先生が言ってた"恋人にしちゃ頼りなくて、全然恋人らしく無かった彼氏"というのは、自分の事?
一人で納得をしている私をよそに、お母さんは話を続けた。
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