前編

12/14
前へ
/41ページ
次へ
「美沙、怖かったら悲鳴とかあげてもいいから」 「・・・私、お化けとか平気だし」 「そういえばそうだったっけ」 「以前、言ったはずだけど?」 話しながら、奥へと進んでいく。 そして、目の前にあったものに、 一瞬絶句して。 いや、確かにお化けとか平気なんだけど。 そうは言っても、これはあまりにも・・・。 「きゃあぁぁー!」 思わず叫んでしまう程、リアルに作られていて、怖かった。 そして、私は気がつくと、隼人君にしがみついていた。 「美沙、大丈夫だから。あれ、作り物だから」 「いや、分かってはいたけど・・・あまりにもリアルすぎて怖かったのよ」 「とりあえず、離れてくれないか?」 「あ・・・ごめん」 自分で何をしてたのか気づいた時、思わず顔が真赤になりそうだった。 暗くてよく分からなかったけど、隼人君の顔も少し赤かったような気がする。 ゴールを見つけてお化け屋敷を脱出すると、外には姫たちはいなくて。 「もしかして、はぐれたままでそれぞれ回ってるのかも・・・」 「その可能性はかなり高いわね・・・」 「じゃ、俺達も何か乗りに行こうか」 「うん」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加