前編

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そんな事を考えていると、ゴンドラは頂上に差し掛かっていて。 窓から見える景色は、とても幻想的で、素敵だった。 人も建物も、小さく見える。 それだけで、地上からかなりの高さにいることが分かる。 「綺麗だな・・・」 「ほんとにね・・・」 沈みかけの夕日に照らされた、隼人君の顔。 私の心が、トクンとなった気がした。 ゴンドラは徐々に地上へ降りていく。 ふと私は、何だか名残惜しさを感じた。 このまま、もうしばらく二人でいたい、何故だかそう思って。 もう一度、隼人君を見る。 そして、ようやく気がついた。 ―いつの間にか、隼人君の事を好きになってたー この間から感じていた、この心の高鳴りは、恋だった事を知った瞬間だった。
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