中編

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「美沙、どうしたの?」 「え、何が?」 「いや、何か考え込んでるみたいだったから・・・」   さすがは長年の付き合いだけはある。 こういうことはほんとにすぐ気がつく姫。 でも、これは、姫にとってはきっと些細な事だろう。 だから、別に言う必要なんてないと思った。 「何でもないよ。気にしないで」 「だったらいいけど・・・」 あの夢を見るようになって、だんだんと昔の記憶がはっきりしてきた。 けれど、それはまだ完全ではなくて。 一緒に遊んでいた男の子の姿は今だはっきりしなくて。 どうにかして知る方法はないかと思ったけれど、当時の事が分かるような物は何もない。 だからこそ、中々思い出せずにいた。
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