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「・・・美沙ちゃん、ちょっと」
喧嘩してから随分経ったある日。
随分久しぶりに麻奈から呼び出された。
一体なんなんだろう。
「何?」
「あのさ・・・、もう止めにしない?」
「止めって・・・」
「喧嘩。最近ね、何やってるんだろうって思うようになったんだ。何だか、意地の張り合いしてるだけのような気がして」
麻奈の言う事は分かる。
私だって最近そう思っていたんだから。
「・・・そうだね。私もそう思ってた。もう止めにしようか、意地の張り合いは」
「うん。ねぇ、これからは親友であってライバルだね」
「麻奈には負けないわよ?」
「私だって」
どちらからともなく笑みがこぼれる。
それは、作り物なんかじゃない、本物の微笑み。
この瞬間、壊れてしまっていた友情という名の絆が、再び結ばれた、以前よりもより強く。
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