前編

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「今回のテスト、難しかったわねー」   隼人君が転入してきて一ヵ月が経った。 疲れたような顔をして言ってきたのは、姫だった。 ちなみに、姫というのはあだ名で、本名は姫乃(ひめの)。 それに同意するように、麻奈たちも頷いていた。 「ほんと、難しかったよね」 「テストなんてなければいいのにね」 「まぁ、仕方ないんだろうけど」 「テストも終わったし、みんなで何処か遊びに行くか」 提案してきたのは、隼人君だった。 実は私もそう提案しようと思っていたし、断る理由もない。 だから。 「いいよ、行こうか」 「うん、いいかも。思いっきり遊ぼうよ」 「賛成♪」 こうなるともう、誰からともなく話が盛り上がる私たち。 けど、それが私たちのいいところでもあって。 「何処行こうか?」 「映画は?」 「カラオケなんてどう?」 「じゃ、そのどっちかで」 「私はカラオケの方がいいかなぁ」 「ここしばらく行ってないもんねー、私もカラオケ行きたいなぁ」 「カラオケか、楽しそうだな」 「それじゃ、カラオケ行こうか♪」 行く前からハイテンションな私たち。 みんなで遊びに行くとなると、いつもこうなって。 最初からハイテンションなのに、最後までテンションは下がらなくて。 でも、これも私たちらしいところだと思っている。 そして、私たちはカラオケへと向かった。
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