前編

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カラオケに行った日から、随分日は経って。 「もうすぐ体育祭だよね」 「あー、そういえばそんなめんどくさいものあったっけ」 正直、ほんとにめんどくさいと思う。 運動が得意な人たちだけで勝手にやっていればいいといつも思ってしまう。 だって、体育祭なんて、あまり体力のない私にとっては、疲れるだけの行事だから。 「右に同じ。体育祭なんて、やりたい人だけで勝手にやってればいいよな」 「二人とも、そう言わずに・・・大体、全員参加なんだし」 「分かってるさ。姫はいいわよね、運動能力抜群だし。ま、だからこそ余計かっこいいんだけど」 「あまり嬉しくないわよ・・・かっこいいなんて言われても。それじゃまるで私が」 「男の子みたいってか?」 「一応気にしてるんだから・・・」 女の子として、可愛いとか言われたいんだろうけど、やっぱり無理。 だって、姫は、どこをどう見てもかっこいいんだから。 まぁ、時々照れたりする姿は可愛いけど。 「確かに姫乃はかっこいいところもあるけど、可愛いところもたくさんあると思うよ」 「風君、ありがと」 「それより、体育祭だけど。今年のメイン種目は二人三脚なんだよね?」 「ああ、そういえばそうだっけ」 「ほんとにめんどくさいな・・・」
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