前編

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体育祭は何事もなく、終了した。 今日は姫と風君が二人で帰ってしまった上、麻奈と柚希も隼人君を私に押し付けて帰ってしまったために、隼人君と二人で下校している。 「今日は一緒に走れて楽しかった」 「私も。・・・あ、その・・・ごめん」 「え?」 「私に合わせてくれたから・・・そのせいで抜かれたりもしたし・・・」 「いや、気にしなくていいよ。美沙らしくない」 そう言って微笑んでくる、隼人君。 あれ? 何だろう、何だかどきどきしてる。 こんな事、初めてだった。 だから、私はこの時、それが何を意味しているのか知る事が出来なかった。
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