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ずっと金を握りしめて黙っている紗季に
『…これで綺麗さっぱり終わりだよな?次は、もっとちゃんとした男と付き合えよ。』
そう言って、紗季の頭をポンと軽く叩いて俺は帰る為に紗季に背を向けて歩き出した。
すると
『……待って…!!』
そう紗季の声が聞こえたかと思うと、背中にドンっと衝撃が伝わった。
『…何?』
俺の背中に抱き付いている紗季に言った。
『好きだよ…雅』
紗季の表情は見えないけど、きっと泣いているんだろう…声が震えていた。
『…だから?』
俺は煙草に火を付けながら、興味無さげに言った。
『好きなの…終わりなんて、言わないで…』
俺の身体に巻き付いている紗季の腕にギュッっと力が入った。
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