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俺の目の前に来た紗季の肩を掴んで
『お前はっ…一度でも死ねっつた男の子供を生みたいのかよ?』
知らず知らず、肩を掴んでいた手に力が入る。
『あれは…雅が、俺の子?とか言うから…ムカついて、つい…』
…信じらんねぇよ…
『ついでも何でも知るかっ…俺は金を渡した。俺の責任はここで終わりだ。』
そう言って俺はトンっと紗季の肩を押した。
『…っそんな…!』
さっきのおばさんがずっと俺達を見ている。
うざったいな…
俺は傷付いて泣いている紗季を残して歩き出した。
すると紗季は
『私、生むからね!だっておろしちゃったら…雅との繋がりなくなっちゃうじゃん!こんなのいらないよ!』
そう言って紗季は俺の手を握って、さっき渡した裸のままの札を俺に突き返した。
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