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「あ~、今日も終わった~」
そう言って、背伸びをする。
彼は荒井 漠(あらい ばく)。金色の髪を立て、制服は見事に着崩し、ピアスをしている。ただでさえ不良染みた格好を、その鋭い目がさらに引き立てている。漠は青い炎を使い、現在焔明蘭学園の戦闘部門No.2である。
「本当、疲れた~」
それに合わせるように、隣の女の子が背伸びをする。
彼女の名前は桜 弥生(さくら やよい)。背はとても低く、活発でとても16歳とは思えない。髪は赤く、ポニーテールにしている。
2人は今、授業を終えて陽炎に向かっている。この1年で染み着いた日課だ。
「真凛はどうしたんだ?」
「職員室に行ってから来るって言ってたからそろそろじゃない?」
2人がそう話していると、後ろから「2人とも待って下さい」と言う声が聞こえた。
2人が振り返ると、1人の女の子が近付いて来た。
「やっと追い付きました~」
そう言って肩で息をしているのは、月夜 真凛(つくや まりん)。青い髪を肩の少し下で切っていて、前髪をピンで止めている。物静かな雰囲気の女の子だ。
「もう用事終わったのか?」
「はい、急いで終わらせて来ました」
「よし、じゃ行くか」
漠の言葉を合図に、3人は陽炎に向かって歩き出した。
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