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その言葉にまたも頼斗は驚く。
「霞、お前そんなに強かったのか?」
頼斗の言葉を褒め言葉として受け取った霞は、満面の笑みで頷いた。
「補足しとくと、三番目に強いやつも俺らの同期ッス」
「は?ミラージュってそんな子どもばかりで構成されてるのか?」
何気なく疑問を口にした頼斗だったが、その言葉に周りの空気が重たくなった。
「え?どうしたんだ?」
いきなり重い空気になり、頼斗が戸惑いの声を上げる。だが、それに誰も答えない。
しばらくそんな重たい空気が続いたが、皐月がコホンと咳払いをし
「では、頼斗君任務に行きましょうか」
と、普段より優しく、明るい声で言った。
頼斗は訳がわからなかったが、「あ、あぁ」となんとか頷くと、訓練所の出口へと皐月と歩いて行った。
「あのことを頼斗に知られるわけにはいかないッス。今度からはもう少し気を付けるッス」
「……ん」
頼斗と皐月が出て行った訓練所の出口を見ながら、天無と霞は頷き合った。
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