第三章 任務

2/44
前へ
/267ページ
次へ
「(ん~、何なんださっきのは……)」 訓練所を後にし、今皐月と任務を受けるために隊長室に向かっている頼斗は、先程の皆の反応が気になっていた。 「(いきなり空気変わったもんな……何かあるのか?)」 「頼斗君、どこまで行くんですか?」 頼斗がそんなことを考えながら歩いていると、皐月から声をかけられた。どうやら考え事をしていて、隊長室を通り過ぎてしまったらしい。 「ん?あ、あぁ」 頼斗は頭を振って無駄な考えを消し、任務に集中することにした。 「今回の任務って何が相手なんだ?」 「今回は……ウルフですね」 皐月の答えに、頼斗は首を傾げる。ウルフは魔物の中でも最下級の魔物だ。何故その相手をミラージュがするのか、不思議だったからだ。 そんな頼斗の様子を見て、皐月が付け加えて言う。 「多分頼斗君は今魔物のウルフのことを考えているんでしょうけど、今回の相手はSS級ですよ」 「???」 その言葉を聞いて、頼斗はますますわからなくなっていた。ウルフとは学園の授業でも戦ったことがあるが、サラマンダーより断然弱かったと記憶しているからだ。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2868人が本棚に入れています
本棚に追加