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「(ん~、何なんださっきのは……)」
訓練所を後にし、今皐月と任務を受けるために隊長室に向かっている頼斗は、先程の皆の反応が気になっていた。
「(いきなり空気変わったもんな……何かあるのか?)」
「頼斗君、どこまで行くんですか?」
頼斗がそんなことを考えながら歩いていると、皐月から声をかけられた。どうやら考え事をしていて、隊長室を通り過ぎてしまったらしい。
「ん?あ、あぁ」
頼斗は頭を振って無駄な考えを消し、任務に集中することにした。
「今回の任務って何が相手なんだ?」
「今回は……ウルフですね」
皐月の答えに、頼斗は首を傾げる。ウルフは魔物の中でも最下級の魔物だ。何故その相手をミラージュがするのか、不思議だったからだ。
そんな頼斗の様子を見て、皐月が付け加えて言う。
「多分頼斗君は今魔物のウルフのことを考えているんでしょうけど、今回の相手はSS級ですよ」
「???」
その言葉を聞いて、頼斗はますますわからなくなっていた。ウルフとは学園の授業でも戦ったことがあるが、サラマンダーより断然弱かったと記憶しているからだ。
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