第三章 任務

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ガキィン 「っ、クソッ」 金属がぶつかり合うような音が、辺りに響く。先ほどから頼斗は防戦一方だ。 「(絶対おかしい……)」 そんな中で頼斗は冷静に、自分の中に沸いた疑問について考えていた。 「(この辺りじゃまだ無理だ……もっと奥に行くか)」 そう考えるが早いか、頼斗は森の奥に向かって走り始めた。 『戦いの中で背中を見せるなんて……がっかりだわ』 そう言うと、吸血鬼は武器を取り出した。それはドーナツの形をしていて、円の外側に刃が付いている。所謂チャクラムと言われる、飛び道具だ。 だが、それを見て頼斗は恐怖や危険より、疑問の方が先に出てきた。 「(やっぱりおかしいな……そろそろあるはずだから、そこに行けば確かめられるはず)」 ズバッ 「ぐぁっ」 頼斗の左肩に激痛が走った。吸血鬼が放ったチャクラムが、左肩を切り裂いたのだ。 「クソッ!!何で森の中なのに見付からないんだ?」 そう小さく呟いて、辺りを見渡す。すると、頼斗の視線が一点で止まった。 「(あった!!)」 いきなり頼斗は右に走る方向を変えた。目指す場所は木々の間にある広場のような場所だ。
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