第三章 任務

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『(まさか的確に攻撃してくるなんて……まぐれかしら?)』 その可能性はあると吸血鬼は勝手に考え、もう一度同じように攻撃を試みた。しかし 『うっ』 やはり頼斗が攻撃をしかけて来た。今回は吸血鬼の方も攻撃を予想していたので、さっきのように驚きで止まることもなく、簡単に躱した。 『(いったいどうなってるの?)』 今度は吸血鬼が焦る番だった。さっきまで一方的だった相手が、いきなり自分と対等に戦いだしたのだ。焦るのも無理はない。 「攻撃して来ないのか?まさかビビって動けないのか?」 吸血鬼の思考を遮るように、頼斗が挑発的な言葉を発した。普段ならこんな易い挑発にのったりしないのだが、このとき吸血鬼は焦っていたのもあり、挑発にのって攻撃してしまった。 何故かその攻撃のスピードには先ほどまでのような、驚異的なスピードはなく(それでも常人では追えない)、天無よりわずかに早い程度のスピードだった。 ガキィン- 金属がぶつかり合う音が森に響く。 「これがお前の本当の【スピード】なんだろ?」 吸血鬼の爪を受け止めたまま、頼斗はニヤリと口元を歪めながら、そう尋ねた。
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